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世界の旅客機メーカーと機種

世界の旅客機メーカーと機種

フライトシミュレーターでは多数の機体アドオンが存在します。好きな機体でよりリアルな操縦を疑似体験するために機体アドオンを購入したりしますが、なかなか迷う時が多いです。
月刊エアライン2017年3月号に機体メーカーと生産機体についての説明がありましたので、いくつかの記事を引用して整理してみました。さらに詳しい情報が知りたい方は月刊エアライン2017年3月号をお読みください。

世界最大の航空機メーカーとして君臨するボーイング BOEING

1916年の創業から数えて、昨年100周年を迎えたボーイング社。ライバルとして激しく戦ったマクドネル・ダグラス社を1997年に吸収合併し、世界最大の航空宇宙企業として君臨している。特に日本のエアラインでは747をはじめ多くのボーイング機が愛用されてきた経緯から抜群の存在感を誇り、最近では2011年に最新鋭の787ドリームライナーがANAで世界初就航を果たした他、この787の製造では日本の重工各社が35%という大規模な分担比率でその開発・製造にも携わり、”Made with Japan”なるキャッチフレーズまで生まれた。

企業としてのヘッドクォーターは米国東部のシカゴに立地しているが、特に民間航空機部門では最終組立の拠点を置く西海岸のシアトル界隈にゆかりが深く、近郊にはワイドボディ機を製造するエバレット工場、単通路機の737を製造するレントン工場、飛行試験の拠点としてのボーイングフィールドなど、一大拠点を構成している。さらに787では旺盛な受注状況に対応するため、南部サウスカロライナ州ノースチャールストンの新工場でも、エバレットと並行して製造を行なうこととした。

欧州が手を組みボーイングに対抗エアバス AIRBUS

欧州航空産業のあゆみは合従連衡の歴史だが、しかし旅客機市場では米国メーカーの後塵を拝した。事態打開のためフランス、西ドイツ、スペイン、イギリスを中核として政府やメーカーが合同し、1970年に誕生したのがエアバス・インダストリー社(現エアバス社)の始まりである。

本社はフランス第4の都市トゥールーズに所在するが、実際にはこうした企業としてのの成り立ちから欧州各地の工場でエアバス後のコンポーネントは製造されており、最終組立を行なう工場もトゥールーズのほか、A320ファミリーではドイツのハンブルクにも製造ラインを設けている。さらにA320ファミリーは中国の天津、米国アラバマ州のモービルでも最終組立を行なっている。

なお日本ではエアバス社のファーストモデル、A300をかつてのJASが採用して1981年に就航。1991年にはANAでもA320が就航した。それでも米国機優勢の市場環境を覆すには至らなかったが、しかし、風向きは2012年を境に変わりつつある。この年、相次いで運航開始した国内LCC三社が総じてA320を採用したことで、そのシェアが一気に高まったのだ。翌2013年にはJALがボーイング777の後継機として最新のA350XWBをオーダーし、これは2019年に就航する予定である。

Cシリーズで変わる世界第3位の存在感ボンバルディア BOMBARDIER

民間航空機市場でボーイング、エアバスに次ぐ世界第3位に位置するのは、カナダ東部モントリオールに拠点を置くボンバルディア社である。1942年にスノーモービルのメーカーとして創業したが、1970年に鉄道車両、そして1986年には航空機事業に参入して、これが二本柱となった。航空機事業はカナデア社の買収から始まり、その後も、ショート・ブラザーズ、リアジェット、デ・ハビランド・カナダと国内の名門を吸収しながら成長。CRJシリーズは「カナデア・リージョナル・ジェット」の頭文字だし、ターボプロップ機のDHC-8も元はデ・ハビランド・カナダ社のプロダクトである。従来、ボンバルディア社の基幹製品はこれらCRJやDHC-8のほか、グローバル・エクスプレスやチャレンジャーといったビジネスジェット機であった。しかし2016年には100~150席という、より大型の機体規模の「Cシリーズ」を完成させて、その実用化に漕ぎ着けた。これによりボンバルディア社の軸足は、より上級のCシリーズへと移行しつつある。

Q400と競合する欧州プロップ勢力 ATR

ターボプロップ旅客機の市場を、ボンバルディアDHC-8と二分する存在がATRだ。1981年にフランスのアエロスパシアル社(現エアバス)とイタリアのアエリタリア社(現レオナルド)が共同で設立し、社名は「Avionsde Transport Régional」の略。ラインナップはモデル名がそのまま座席規模を表すATR42とATR72のふたつで、エアバス社と同じく仏トゥールーズの最終組立工場から送り出される。

リージョナルジェット機市場をリードするエンブラエル EMBRAER

ブラジル国営の航空機メーカーとして1969年に設立されたエンブラエル社。本拠地は首都サンパウロにほど近いサン・ジョゼ・ドス・カンポスにある。・ターボプロップ・コミューター機のEMB110バンデランテ、EMB-120ブラジリアで成功した同社は、さらにリージョナルジェット機の大成功により世界的メーカーの仲間入りを果たし、現在、旅客機のラインナップは1996年就航のERJシリーズ、2004年就航のEジェット・シリーズである。特にEジェットの方はリージョナルジェットの大ベストセラー機へと成長し、その高い完成度と市場への浸透度から、開発中の三菱MRJもベンチマークとしている。

リージョナルジェット機の世界ではこのエンブラエル社とカナダのボンバルディア社が二大勢力とされているが、胴体径の細いCRJシリーズに比べてEジェットは発展性にも富み、現在その優位性を高めるための発展型として、E2ジェットの開発が進行中だ。

名門ドルニエの事業を継承RUAG(DORNIER)

RUAGという聞き慣れない社名だが、製造しているのは倒産したドイツの名門ドルニエ社が開発した小型ターボプロップ機Do228(1982年初飛行)の発展型、Do228NGである。1999年、フェアチャイルド・ドルニエ社がDo228の型式証明をRUAGアビエーションに売却したことで、現在もドイツのオーバープファッフェンホーフェンにある工場で製造が継続されている。日本では調布から伊豆諸島路線を運航する新中央航空が愛用しており、このRUAG社製の最新モデルの初号機を2010年に受領。昨年12月には3号機がデリバリーされている。

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参考文献

  • 「世界の旅客機メーカーと機種」『月刊エアライン』、2017年3月号、pp.32-35