東京国際空港の新たな侵入経路

東京国際空港の新たな侵入経路

概要

筆者はPrepar3Dで飛行する時、Pilot2ATCを利用してIFRの航空管制に従って飛行しています。それが、Pilot2ATCは「Navigraph」の最新「FMS Data」を利用しており、この間、羽田空港に着陸する際に2020年3月から運用が開始された「RNAV RWY 16L アプローチ」を指示されましたが、利用している空港シーナリーであるテクノブレイン社の東京国際空港2XではILSのデーターがないため、視認進入を行わざる終えなかったです。

インタネットで調べたら、FLYER様のブログ記事で、シーナリーデーターに「ILS RWY 16R アプローチ」と「RNAV RWY 16L アプローチ」を追加する方法が紹介されていたので、真似して追加してみました。

ついに、KuJun Airlinesのゲートも割り当てました。

羽田空港の新たな侵入経路

ILS RWY 16R アプローチ

低視程の悪天時に使用されるILSカテゴリーIの最終進入コースです。埼玉県越谷市上空で初期進入フィックスのNATTYを3000フィート以上で通過、和光市上空(RUGBY)3000フィートでローカライザー会合、東京都渋谷区上空(RONIE)からグライドスロープに乗ってILS標準の降下パス3度で降下していきます。ミニマムは着陸決心高度200フィート/滑走路視程距離550メートルです。

RNAV RWY 16L アプローチ

好天時のRWY16L着陸コースです。ILSの飛行経路より内側(東側)を降下、最終進入フィックスはILSとほぼ同じく滑走路から9-10マイル(約17-18キロ)地点です。降下角をILSの3度より深い3.45度まで引き上げることで、経路上の通過高度が高く設定されています。最終進入フィックスのLAUDAで3400フィートでILSの場合より400フィート高いです。

シーナリーファイルの検索

テクノブレイン社の東京国際空港2Xのシーナリーファイルを探す際には「Little Navmap」を利用します。

Navigraphのデーターは非表示とします。

念のため、Prepar3Dのシーナリーデーターを再読み込みします。

マップ上で羽田空港を選択すると、以下のようにシーナリーファイルの配置場所が表示されます。

筆者の場合は以下の場所に配置されていました。

C:\Program Files (FS)\Lockheed Martin\Prepar3D v4\Addon Scenery\FSAC_RJTT2_X\scenery\Rjtt2_adex_tb.bgl

シーナリーファイルを探したら修正する前にバックアップを取りましょう。

FLYER様のブログによると、テクノブレインのファシリデーターは特殊で例えばそのままADEで編集してしまうとJETWAYの一部が消えてしまうようです。そのため、今回は「Bgl2Xml」と「BglComp」を利用します。

Bgl2Xmlは「FSDeveloperサイト」でダウンロードができます。ダウンロードした圧縮ファイル「Bgl2Xml All.zip」を解凍し、「Bgl2Xml_GUI.exe」を管理者権限で起動します。

「Bgl2XML GUI」が起動されたら「Input Bgl」に先ほど探したシーナリーファイルを設定し、「Output Xml」には生成されるxmlファイルを保存する場所とファイル名を設定します。「Go」ボタンを押すとxmlファイルが生成されます。

※画像上の設定値は例です。先ほど探したシーナリーデーター(bgl)ファイルの配置場所と異なります。
「Go」ボタン押した後表示されるログです。

bglファイルからxmlファイルを生成したら、生成されたxmlファイルをメモ帳などで編集します。

FLYER様のブログ記事「羽田 新着陸ルート」を参考して、滑走路16Rに「CAT III ILS/DME 16R」のデーター、滑走路16Lに「CAT III ILS/DME 16L」のデーターを追加します。

      …
      <Runway
         …

         number="16"
         designator="RIGHT"
         …
>
         …

         <Ils
            …

            ident="IHA"
            …

         </Ils>

      </Runway>
      …
      <Runway
         …
         number="16"
         designator="LEFT"
         …>
         …
         <Ils
            …
            ident="ITC"
            …>
            …
         </Ils>
      </Runway>
      …

      …
      <Runway
         …
         number="16"
         designator="RIGHT"
         …>
         …
         <Ils
            …
            ident="IHA"
            …>
            …
         </Ils>
         <Ils
            lat="35.5342165008187"
            lon="139.787364453077"
            alt="6.399M"
            heading="149.949996948242"
            frequency="111.550"
            end="PRIMARY"
            range="55574.21M"
            magvar="7"
            ident="ITA"
            width="5.19999980926514"
            name="CAT III ILS/DME 16R"
            backCourse="TRUE">
            <GlideSlope
               lat="35.5580217763782"
               lon="139.771716892719"
               alt="6.399M"
               pitch="3"
               range="55574.21M"/>
            <Dme
               lat="35.5342165008187"
               lon="139.787364453077"
               alt="6.399M"
               range="55574.21M"/>
         </Ils>
      </Runway>
      …
      <Runway
         …
         number="16"
         designator="LEFT"
         …>
         …
         <Ils
            …
            ident="ITC"
            …>
            …
         </Ils>
         <Ils
            lat="35.5372789129615"
            lon="139.8069190979"
            alt="6.399M"
            heading="149.960006713867"
            frequency="111.950"
            end="PRIMARY"
            range="55574.21M"
            magvar="7"
            ident="IOC"
            width="5.19999980926514"
            name="CAT III ILS/DME 16L"
            backCourse="FALSE">
            <GlideSlope
               lat="35.5638710036874"
               lon="139.789296537638"
               alt="6.399M"
               pitch="3"
               range="55574.21M"/>
            <Dme
               lat="35.5372789129615"
               lon="139.8069190979"
               alt="6.399M"
               range="55574.21M"/>
         </Ils>
      </Runway>
      …

KuJun Airlinesのゲートも割り当てます。

      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_MEDIUM"
         name="GATE"
         number="1"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="2"
         airlineCodes="JAL, JEX, JAS"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="3"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="4"
         airlineCodes="JAL, JEX, JAS"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="5"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="9"
         airlineCodes="JAL"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_MEDIUM"
         name="GATE"
         number="6"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="7"
         airlineCodes="JAL"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="8"
         …/>

      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_MEDIUM"
         name="GATE"
         number="1"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="2"
         airlineCodes="KJA, JAL, JEX, JAS"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="3"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="4"
         airlineCodes="KJA, JAL, JEX, JAS"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="5"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="9"
         airlineCodes="KJA, JAL"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_MEDIUM"
         name="GATE"
         number="6"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="7"
         airlineCodes="KJA, JAL"
         …/>
      <TaxiwayParking
         …
         type="GATE_HEAVY"
         name="GATE"
         number="8"
         …/>

次はBglCompを利用してxmlファイルからbglファイルを生成します。BglCompはPrepar3DのSDKに含まれています。筆者の場合は以下の配置場所にありました。

C:\Program Files (FS)\Lockheed Martin\Prepar3D v4 SDK 4.5.14.34698\World\Scenery\bglcomp.exe

BglCompはGUIツールがないのでコマンドプロンプトで実行します。コマンドプロンプトを起動して、xmlファイルがある場所に移動します。(※以下に記載されている配置場所はあくまで例です。上記で確認したシーナリーデーターファイルの配置場所と異なります。)

Microsoft Windows [Version 10.0.19042.985]
(c) Microsoft Corporation. All rights reserved.

C:\Users\KuJunAirlines>d:

D:\>cd D:\Users\KuJunAirlines\Documents\FS Design Tools\Airport Design Editor 178\P34\Compiled Files

D:\Users\KuJunAirlines\Documents\FS Design Tools\Airport Design Editor 178\P34\Compiled Files>

以下のようにコマンドを実行しますと、bglファイルが生成されます。

D:\Users\KuJunAirlines\Documents\FS Design Tools\Airport Design Editor 178\P34\Compiled Files>"C:\Program Files (FS)\Lockheed Martin\Prepar3D v4 SDK 4.5.14.34698\World\Scenery\bglcomp.exe" Rjtt2_adex_tb.xml

Parsing document: Rjtt2_adex_tb.xml



Parse complete!


D:\Users\KuJunAirlines\Documents\FS Design Tools\Airport Design Editor 178\P34\Compiled Files>

新しく生成されたシーナリーデーター(bgl)ファイルを既存のファイルに上書きすると完了です。

再度Little Navmapでシーナリーライブラリを更新しますと、以下ように「CAT III ILS/DME 16R」と「CAT III ILS/DME 16L」が追加されていることが確認できます。

KuJun Airlinesのゲートが割り当てられていることも確認できます。

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参考文献