ManualPMDG 737NGXu

Flight Management, Navigation – FMC Preflight

Minimum Preflight Sequence

飛行機が飛行を準備する過程の中で、飛行機が安全に目的地まで飛行するために色んな正確な情報を計算できるように、飛行経路や飛行機の重量、離陸時のプラップの角度など、色んな設定値を飛行管理コンピュータ(FMC:Flight Management Computer)に入力する「CDU Preflight Procedure」という手順があります。その中で最低限の入力を行う手順をご紹介させていただきます。

FMCに値を入力するためにCDU(Control Display Unit)を利用します。CDUは複数のページで構成されており、各ページでは関連する情報を設定できるようになっています。例えば、Route Pageでは飛行経路が設定できます。CDU Preflight Procedureのページ遷移は基本的に以下の手順となります。

  • identification (IDENT) page
  • position initialization (POS INIT) page
  • route (RTE) page
  • DEPARTURES page (no automatic prompt)
  • performance initialization (PERF INIT) page
  • N1 LIMIT page
  • takeoff reference (TAKEOFF REF) page

Preflight Pages

IDENT PAGE

IDENTページには、航空機のモデル、エンジン定格等の情報が表示されています。

  1. MODEL:FMC性能データーベースから飛行機のモデルを表示します。例えば、Boeing 737-800のウィングレット付きの場合は、B737-800WLと表示されます。
  2. Navigation Data (NAV DATA):FMCに登録されているナビゲーションデータ(AIRAC: Aeronautical Information Regulation And Control) を表示します。
    航空路変更等の運航上重要な情報は、AIRACという世界的に統一した方式で更新されています。
    上図の例ですと、B068904001と表示されていますが、一般的には「AIRAC-1108」のように表示されます。
  3. Operational Program (OP PROGRAM)
  4. INDEX:『LSK』を押すと、INDEX PAGEに移動します。
  5. Engine Rating (ENG RATING):エンジンの定格を表示します。
    例えば、B737-800には、24K、26K、27Kの3種類のエンジンが採用されており、26Kは一番多いタイプです。具体的には、26Kは、CFMインターナショナルの「CFM56-7B26」という形式のエンジンです。26Kは推力を表しています。
  6. ACTIVE Date Range: AIRACの有効期間が表示されます。上図の例ですと、B068904001の有効期間は「1996年9月24日~10月21日」です。
    有効期限が切れるとスクラッチパッドに「NAV DATA OUT OF DATE」というメッセージが表示されます。その時はCDUの『CLR』キーを押してメッセージを削除できます。
  7. Inactive Date Range
  8. Supplemental Data (SUPP DATA)
  9. Position Initialization (POS INIT):『LSK』を押すと、POS INIT PAGEに移動します。

Position Initialization Page 1/3

POS INITページは、慣性参照システム(IRS)ジャイロを調整するためのCold and Darkスタート時に使用されます。

  1. Reference Airport (REF AIRPORT):現在の空港のICAOコードを入力する項目です。入力すると「LSK 2R」の位置に、入力した空港の中央の座標が表示されます。
  2. GATE
  3. GMT – Month/Day (GMT – MON/DY):現在日時を表示します。上の例では、「1432.2z 11/20」と表示されており、11/20の14:32(世界標準時)となっています。
  4. INDEX:『LSK』を押すと、INDEX PAGEに移動します。
  5. Last Position (LAST POS)
  6. Set IRS Position (SET IRS POS):現在の位置情報(緯度・経度)をIRSに設定する項目です。「LSK 2R」には現在の空港の中央の座標が設定されていても、もっと正確な座標をIRSの初期設定するために必要です。
    いくつかの設定方法がありますが、 GPSの位置情報を利用するのが便利です。CDUの『NEXT PAGE』キーを押して、POS REF 2/3 PAGEに移動します。『LSK 4L』か、『LSK 5L』のどちらかを押して、GPSの座標をスクラッチパッドにコピーします。CDUの『PREV PAGE』を押してPOS REF 1/3 PAGEに戻ります。『LSK 4R』を押したら、スクラッチパッドに表示されていた座標がIRSに設定されます。IRSに位置情報が設定されると、PFDとNDの表示が変わります。
  7. Set IRS Heading (SET IRS HDG)
  8. ROUTE:『LSK』を押すと、RTE PAGEに移動します。

Position Reference Page 2/3

  1. FMC Position (FMC POS)
  2. IRS L
  3. IRS R
  4. RADIO
  5. Groundspeed (GS)
  6. GPS L:2台のGPSの中でGPS Lの位置情報が表示されます。
  7. GPS R:2台のGPSの中でGPS Rの位置情報が表示されます。(GPS Lと同じ座標が表示されるはずです。)

Route Page 1/X

飛行経路(水平経路)設定を行うページです。

  1. Page Title
  2. ORIGIN:出発空港のICAOコードを入力する項目です。
  3. Company Route (CO ROUTE)
  4. RUNWAY
  5. Destination (DEST):到着空港のICAOコードを入力する項目です。
  6. Flight Number (FLT NO.):フライトナンバー(便名)を入力する項目です。(内容は何でもいいです。)
  7. FLT PLAN REQUEST

Departure/Arrival Index Page

RTEページで入力した出発空港と到着空港に対して、出発経路(DEP)や到着経路(ARR)を選択するためのページに移動するプロンプトが表示されます。 出発空港にはDEPとARR両方設定ができますが、その理由は緊急状態による離陸後の空港への戻りを考慮するためです。 また、任意の空港に対して出発経路と到着経路を設定することもできます。これは、ダイバージョンが発生した場合に役立ちます。

  1. Departure (DEP) – Origin:『LSK』を押すと、出発空港のDEPARTURES PAGEに移動します。
  2. Departure (DEP) – OTHER
  3. Arrival (ARR) – Origin
  4. Arrival (ARR) – Destination:『LSK』を押すと、到着空港のARRIVALS PAGEに移動します。
  5. Arrival (ARR) – OTHER

Departures Page

離陸滑走路とSIDを設定するページです。実際には、離陸滑走路とSIDは、クリアランス・デリバリーと話しをした時に決まりますので、先に航空路の部分を入力し、後から離陸滑走路とSIDを入力することも可能です。

  1. Standard Instrument Departures (SIDS):選択可能なSIDの一覧が表示されます。複数ページに当って表示されますので、CDUの『NEXT PAGE』キーを押しながら利用するSIDが見えたらその『LSK』を押して選択します。SIDを選択したら、上の図のように一覧は表示されなくなり、選択したSIDと「<SEL>」が表示されます。
  2. Transitions (TRANS)
  3. ERASE/INDEX
  4. RUNWAYS:選択可能な離陸滑走路の一覧が表示されます。複数ページに当って表示されますので、CDUの『NEXT PAGE』キーを押しながら離陸する滑走路が見えたらその『RSK』を押して選択します。離陸滑走路を選択したら、以下のようになります。
    • 上の図のように一覧は表示されなくなり、選択した滑走路と「<SEL>」が表示されます。
    • 選択した滑走路がNDに表示されます。
    • CDU画面の左側にはSID選択した滑走路に有効なSIDのみが一覧として表示されます。そのためSIDより滑走路を先に選択することをおすすめします。
  5. ROUTE:『LSK』を押すと、RTE PAGEに移動します。

Route Pages 1/X and 2/X with Data Entries

RTEページで『NEXT PAGE』キーを押すと、RTEの2ページ目が表示されます。この画面で航空路部分を設定します。画面の右側のTO列は目的地(ウェイポイント)であり、左側のVIA列は前のウェイポイントから右の目的地への経路(航空路)です。

  1. VIA:SID、STAR、進入経路、航空路などを入力できます。1行目は、SIDを選択すると自動的に入力されます。2行目からは一般的には前のウェイポイントから右のウェイポイントまでの航空路を入力します。 前のウェイポイント右のウェイポイントまで航空路が存在しない場合は「DIRECT」と表示されます。
    上記の図の場合は、離陸後、LACRE3 SIDを従ってVAMPSまで飛行し、VAMPSからV2航空路を従ってELNまで飛行します。その後はV336航空路に従ってEPHまで飛行します。
  2. TO:空港のICAOコードやILS識別子、滑走路などを含むウェイポイントを入力できます。
  3. ACTIVATE:飛行経路の設定が終わったら、『LSK 6R』を押して、活性化します。ACTIVATEを押すと、CDUの「EXEC」キーの上のライトが点灯します。『EXEC』キーを押すと、 FMCは活性化された経路の処理を実行します。
    活性化された飛行経路をFMCが処理する前にはNDには経路が点線で表示されています。 活性化された経路をFMCが実行した後では、NDに表示されている経路が実線に変わります。
※ 間違えて入力した場合、以下の方法で消去することができます。
  • CDUの『DEL』キーを押します。
  • スクラッチパッドに「DELETE」と表示されます。
  • 消去したい行の『LSK』を押します。 たとえば、上図の状態で、『LSK 3R』を押すとV336航空路とEPHウェイポイントの行が削除されます。

Performance Initialization Page

航空機のパフォーマンスデータを計算して初期化を行うページです。このページの設定により、上昇、巡航、および降下を行うための垂直経路が決まります。

CDUの『INIT REF』キーを押すと「PERF INIT」ページが表示されます。

  1. Gross Weight/Cruise Center of Gravity (GW/ CRZ CG)
  2. PLAN/FUEL
  3. Zero Fuel Weight (ZFW):ZFWを入力する項目です。ZFWとは、「Zero Fuel Weight」の略字で、燃料を搭載していない状態の航空機の重量です。
    ZFWは以下の方法で簡単に入力できます。
    『LSK 3L』を押します。LSK 3Lには、何も表示されていませんが(「□」がいくつか表示されている状態)、LSK 3Lを押すと、スクラッチパッドに、ZFWの数値が表示されます。『LSK 3L 』をもう一度押すと、スクラッチパッドに表示されたZFWが、この項目に設定されます。これでZFWの設定は完了です。
  4. RESERVES:1000(lbs)単位の予備燃料を入力する項目です。 PMDG737NGX付属の公式チュートリアル#1では「5.0」を入力していますが、予備燃料として5,000 lbsを設定する意味になります。
    また、ここで入力した値が予備燃料として搭載されるわけではありません。「予備燃料は何lbs搭載していますか?」の意味となります。実際の燃料搭載量が、ここで入力した値を下回ると、FMCに「USING RSV FUEL」(予備燃料を使っていますが大丈夫ですか?)というメッセージが表示されます。
  5. COST INDEX:COST INDEXの入力する項目です。
    COST INDEXは、FMCが上昇・巡航・降下の速度を決定するための、影響力の強いパラメータです。0から500まで範囲が設定可能で、値が小さい程、速度を犠牲にして、飛行コストを下げます。多くの航空会社は、20~40を設定しています。25が一般的な値となっています。
  6. INDEX:『LSK』を押すと、INDEX PAGEに移動します。
  7. Trip/Cruise Altitude (TRIP/CRZ ALT):巡航高度を入力する項目です。巡航高度を入力すると、飛行機が曲がれる性能が予測されるので、NDの飛行経路の曲がる部分が微妙に変化する場合もあります。
  8. Cruise Wind (CRZ WIND):風を入力する項目です。無風の状態の場合には、「360/0」を入力します。
  9. Top of Climb Outside Air Temperature (T/C OAT)
  10. Transition Altitude (TRANS ALT):転移高度(TRANS ALT、Transition altitude)を入力する項目です。転移高度とは、FMCが上昇中海抜高度から国際標準大気(29.92inHg又は1013HPa)を利用し始まる高度です。
  11. PERF INIT REQUEST
  12. N1 LIMIT:『LSK』を押すと、N1 LIMIT PAGEに移動します。

PERF INITページの内容を確認し、OKであれば、CDUの『EXEC』キーを押して、確定させます。

LIMIT Page – Preflight

N1 LIMITページは、定格離陸推力(TO:takeoff / max rated takeoff thrust )と想定外気温(Assumed Temperature)を設定します。

離陸定格の計算や操作方法は、機種やエンジンの製造社により異なりまして、Boeing 737 – 800ではN1(低圧コンプレッサの回転速度(設計回転数)を100%とした相対%で表される)による操作方法を利用しています。その中でもReduced Thrust Takeoff(Takeoff Thrust Derate)方式を利用して、離陸時のエンジン推力を削減させて、定格離陸推力の 100%ではなく、幾許か少なめの推力を使います。現実では、運航管理者が滑走路の長さ、航空機の重量、および色んな環境条件を考慮して計算した減少推力の使用します。

ここで入力する値につきまして、PMDG737NGXの付属マニュアルのチュートリアルでは、「TOPCAT」という有料アドオンを使った解説をしています。 TOPCATは、機体重量、外気温、気圧等を入力すると、使用するべきフラップや離陸推力が分かるソフトです。
PMDG737NGXの付属マニュアルのチュートリアルでは、TOPCATで計算した、「離陸時フラップ、N1 LIMIT、想定外気温」をFMCに入力しています。

離陸時フラップ

離陸時に使用するフラップは、機体重量、風向・風力、滑走路の長さ・状態(DRY/WET)などの条件で決定されます。

大型ジェットの場合は、5度から重い場合は10度が使用されるようです。

テイクオフパワー

B737-800の場合、離陸時のN1 LIMITは、以下を選択できます。

  • TO…離陸時、エンジンの定格出力(26K)を使用します。つまりFULL POWERです。
  • TO-1…離陸時のエンジンの出力を24Kに制限します。
  • TO-2…離陸時のエンジンの出力を22Kに制限します。
  • TO-B…離陸時だけエンジンの出力を27KにUPします。

例えば、離陸時のN1 LIMITでTO-2を使用する場合は、離陸時でもエンジンの出力は100%ではありません。オートスロットルは、約80%の推力で離陸するように働きます。

フルパワーを使わないメリットは、コスト面が大きいようです。多分、燃料が節約できるのでしょう。また、エンジンも長持ちするのだと思います。

想定外気温

想定外気温は実際の気温よりも高めの仮の温度を使って離陸推力を計算する方法です。エンジンは、実際の外気温(ISA) + 15℃で定格推力を生成するように設計されています。温度がこれよりも高い場合、同じN1設定で空気の密度が低くなり、エンジンの推力が少なくなります。実際の外気温よりも高い想定温度を入力すると、エンジンのコンピューターは、実際よりも空気の密度が低い状況で動作すると認識するため、N1の制限を下げます。

FMCには、本当の気温より高い気温の想定外気温を入力します。

例えば、 本当の気温が30℃の場合は、想定外気温として40℃を入力します。

「N1 LIMIT」と同様、これもエンジンの出力を下げ、コストを下げるための設定になります。気温が高いと、空気密度が薄くなる(一定時間に取り込める酸素の量が、気温が低い場合よりも少ない)ので、エンジン出力が落ちます(車とかバイクでもそうらしいです)。FMCにその設定をすると、却ってエンジンががんばっちゃうのでは?という疑問が私にはあるのですが、そういうことにはならないらしいです。

N1 LIMITの設定や想定外気温の設定は、高い離陸推力を使わなくても良い場合に使用可能となっており、その設定を行っても安全に離陸を中断できる必要があります(V1までに離陸を中断すれば安全に停止できる)。雨が降っていて滑走路が滑りやすい状況がある場合等は、実際より高い気温を設定する等はできません。

  1. Selected Temperature (SEL):想定外気温を入力する項目です。
  2. Outside Air Temperature (OAT)
  3. Takeoff Thrust Limit (TO XXK)
  4. Takeoff Derates (TO–1 and TO–2):『LSK』を押すと該当する推力が離陸時のエンジンの出力として選択されます。
  5. PERF INIT:『LSK』を押すと、PERT INIT PAGEに移動します。
  6. Takeoff N1 (XXK N1)
  7. Climb (CLB)
  8. Reduced Climb (CLB–1 and CLB–2):上昇時のエンジンの出力を選択する項目です。想定外気温を入力すると自動的に選択されます。『LSK』を押して選択することもできます。
  9. TAKEOFF:『LSK』を押すと、TAKEOFF PAGEに移動します。
  10. Takeoff Bump Thrust (TO–B)

Takeoff Reference Page 1/2

TAKEOFF REFページには、離陸時の機体のパフォーマンスを計算するために必要ないくつかの項目があります。

  1. FLAPS: 離陸時に使用するFLAP 1の角度を設定する項目です。
  2. Takeoff N1 (XXK N1)
  3. Center of Gravity (CG):航空機の重心を設定する項目です。
    『LSK』を押すと自動的にスクラッチパッドに入力されます。もう一度『LSK』を押すと、スクラッチパッドの値がCGに設定されます。CGを設定するとTRIMの値が自動的に設定されます。
  4. TRIM

V Speed Data

  1. QRH:FMCが計算した各々の離陸速度が表示される項目です。
  2. V Speeds (V1, VR, and V2):離陸速度を設定する項目です。
    『LSK』を押すと、QRHに表示されている値が設定されます。
  3. Takeoff Weight (TOW)
  4. Gross Weight (GW)